シリーズ化予定
大前提として、人間というものは自身の能力を過大評価する*1生き物だと認識する。
これは誰が悪いとかではなくて、心理的進化的要因によるものだと言われている。
例えば、「立ち回りに悩んでいる」と相談するプレイヤーが、実際にはコンボや起き攻めの精度が基準以下だった、というケースは珍しくない。こうした認知のズレを理解し、うまく活用するだけでも、学習効率の向上が期待できる。
そこで、今回はブレインダンプを提案する。
特に座学に入る前に行うのが有効。
自分ではできていると思っていても、他者に指摘されると「できていなかった」と気づくことがある。
そうした認知のギャップを減らし、思考を整理する手段として使える。
ブレインダンプの方法
やり方は簡単。誰にでも出来る。
①テーマを絞る
②誤字脱字を気にせず頭の中の情報を書き出す(形式にこだわらない、記号や感情を駆使)
③書いたテキストを、足りない情報を補完するためには?という視点で読む(客観視)
①テーマを絞る
範囲はなるべく絞る。
自キャラについて、とかだと広すぎるので、かえって書き出し辛くなる。
各ゲージ状況別の自キャラ戦略、くらいに絞ると書き出しやすい。
②誤字脱字を気にせず頭の中の情報を書き出す
整理してから出力するのではなく、浮かんだことから書けるだけ書く。
→や=などの記号をつけたり、適当に書いたところとか、よくわからないところとか、こういうのに困ってるみたいな感情も添えれると良い。
思考と意識の赴くままに書いていく。
例:
• ゲージ量Xのとき:○○を狙ってこの動き
↳ (ミス多い)相手の対応を見落としがち
• ゲージ量Yになったら、ゲージ消費を抑えた動きを切り替える←具体的には〜
↳ 体感でよくミスる → ゲージを見るタイミングを決めてない? → 後で考える
↳ 体感でゲージ感覚を掴む方法は? → どのタイミングで見るべき?
こんな感じで、疑問点や曖昧な部分もそのまま記述。思考の流れを止めず、意識の赴くままに書いていくのが重要。
③書いたテキストを、足りない情報を補完するためには?という視点で読む(客観視) ※整理してから人に見てもらうのも良い
情報が足りていないか?という視点で読み直す際には、感情の記述が役に立つことが多い。
曖昧にしていた部分や、データ収集・練習が不足しているポイントも明確になっているだろう。
また、書いたものを整理してから人に見てもらうのも良い。
他者の視点を取り入れることで、新たな課題が浮かび上がる可能性がある。
(雑な質問をしてトラブルになることも防げる)
(おまけ)なぜ格闘ゲームにブレインダンプが有効なのか?
格闘ゲームの正解は曖昧で、状況ごとに最適解…だと思われるものを考える必要がある。
しかし、勝敗という結果が得られるまでの期間が短いため、漫然と対戦をやり続け、客観的な自己評価をする機会が鈍りやすい。
練習においてもトレーニングモードで漫然と動かしたり、プロの動画(誤情報を取捨選択する能力も必要)をぼんやり眺めたりしてしまいがち。
外部からの情報の質が不安定なので、情報を得れば得るほどマイナスに作用する場合がある。
一方、ブレインダンプのような、自分の知識・認知を整理し、抜けを補完する作業が出来るとすれば、マイナスに作用することはほとんどないだろう。
実践のポイント
• 最初は10分以内に収める(無限に続けてしまうのを防ぐ)
• 目的意識を持つ(「ゲージ管理の理解を深める」「セットプレイを整理する」など)
• 後から見返す習慣をつける(格ゲーにおいては書きっぱなしでは意味がない)
ブレインダンプは、書いた時点で達成される技術と言われているが、こと格ゲーにおいては自分の認知を正し、効率的に学ぶためのツールとして活用しよう。
概念のゴミ箱について
何かを書こうにもテーマや対象を広く取ろうとするあまり、書いている途中で満足して下書きに記事が溜まってしまっている。
書いたものを公開しないのは非効率であるから、狭いテーマでテキストをまとめあげたものを「概念のゴミ箱」として書いていく。
週1更新目標。
*1:Examining the testing effect with open- and closed-book tests byPOOJA K. AGARWAL*, JEFFREY D. KARPICKE, SEAN H. K. KANG,HENRY L. ROEDIGER III and KATHLEEN B. McDERMOTT