対戦ゲームの技術習得で意識すると良いことの一つに掛け算を意識して技術を足すというものがあります。
◆何をするのも目的は同じ
対戦中に起こる全ての行動が選択は、勝利条件である、自分の体力がゼロになる前に相手の体力をゼロにする(タイムアップ割愛)ということに向かって行われていきます。
コンボ練習をするのも、
技相性を調べるのも、
崩しのレシピを増やすのも、
防御行動を調べるのも、
全て目的は同じです。
そして格ゲーの面白いところですが、これらそれぞれは独立したものではなく、相互関係にあります。
◆横の繋がりを知る
相互関係にある、ということについて具体的に話していきます。
まずコンボ練習ですが、何のためにコンボ練習をするのでしょうか?
攻撃を当てた後により多くのダメージやより良い状況を作るためですよね。
では、打撃を当てるためにはどのような工夫が必要でしょうか?
まず、技相性を調べることです。
互いに小技が届かない間合いで近づくため、あるいは近づかせないために技を振り合うとき、相手の選択肢に勝ちやすい技やタイミングを調べます。
次に崩しを調べることです。
近づいた、ダウンさせた時に相手が選ぶと予想される選択肢に対応した選択肢を準備しておきます。
実戦では相手の傾向を見つつ、それらの選択になります。
では、効率良く崩すためには何が必要でしょうか?
読みの鋭さ!と答える人が多いのですが(間違いではありません)、
まずは
防御の選択肢を整理することが必要になります。
状況を適切に整理し、相手が取り得る選択肢とそれに対する回答を用意する必要があります。
では、防御が上手い、というのはどういうことなのでしょうか?
まず、相手の取る選択肢それぞれへの回答を用意する必要があるので、相手の攻撃の選択肢を知っている必要があります。
ただガードをしたりボタンやレバーを動かすのではなく、相手の何を読んで自分が何をするかを選べる人は、守りながら相手の攻めにリスクを持たせることが出来ます。
トレモでコンボ練習や技相性を調べるのが好き!
対戦で攻めまくって崩すのが好き!
対戦では防御するのが好き!
といった風に考えるのも良いのですが、横の繋がりを意識してみると次のようになります。
トレモでコンボ練習や技相性を調べるのが好き!
→取れるダメージが増え、有利に接近する機会が増えるから、攻撃の回数、崩しの回数の増加。
ダメージを伸ばすことによる読み合い機会の減少が見込める。
(*2回読み勝って100ダメージを2回取るより、一回読み勝って200ダメージ取れる方が強い)
対戦で攻めまくって崩すのが好き!
→相手が取る防御手段を整理することで防御の技術が習得できる。
対戦では防御するのが好き!
→相手の攻撃、崩しの選択肢を整理。そこから防御選択肢のリスクを分散させたり、相手の攻めにリスクを持たせたりすることは、自身の攻撃の機会を増やすことに繋がる。
(*体力を使った読み合い、割り込みからの状況逆転etc)
何か一つの技術を練習するときには、広い意味で他の技術も練習しているということに繋げられるように意識をすることが大切です。
◆ついでに掛け算も意識してみる
少し大雑把な例えになりますが次のA君、Bちゃんが対戦したらどちらが勝ちそうですか?
A君(読み合い好き)
1/2で相手に読み勝てる
平均コンボ火力200
Bちゃん(コンボ練習好き)
1/3で相手に読み勝てる
平均コンボ火力310
答えはBちゃんですね。
A君は1回あたりの読み合いで得られると期待できるダメージは 1/2 × 200の100ダメージ。
一方Bちゃんは 1/3 × 310の103.333ダメージとなります。
ここまで単純では無いにしろ、個々の技術を練習し、足し算していくことは、それぞれの技術を掛け算した分だけ結果が得られます。
逆に、相手の選択肢を理解していないといった「0」 になり得る要素を持っていると他がいくら上手でも無駄になってしまいます。
例えば、相手がガードすると思ったら投げ、暴れると思ったら暴れ潰し、といった読み合いを3/5で読み勝てる人が居るとします。
しかしその人は、その状況では相手が後ろに下がるだけで投げを避けることができることを知らない(相手の選択肢を理解していない)とします。
相手が「ガードするか」「暴れるか」といった駆け引きにいくら強くても、「下がりに何をするか」という部分が抜けて居ると千回読みあっても千回負けてしまいます。
「0」に何を掛け算しても「0」になってしまいます。
◆最後に
好き≠嫌い やらない
という考えにならないようにするのが大切です。
昔、人の嫌がることをやるのが得意!と豪語していた友人と対戦したとき、そもそも読み合いになってないから嫌がるも何も無い段階の試合内容になっていました。
練習しない、調べないがポリシーの友人でしたが、少しずつ読み合いの選択肢、防御行動の種類、それに対するリスクの持たせ方を整理していって今ではウルトラダイヤまで到達しています。
彼の場合は高いステータスの能力をいくつも持っていたものの、知識という部分がゼロに近かったため、「掛け算」すると悲惨な全体ステータスでした。
しかし、そのゼロに近かった部分をテコ入れするだけで、「掛け算」によってステータス全体が一気に引き伸ばされました。
全部好きだし練習してるけど、どちらかと言えば〜が好き、
と言えるようなプレイヤーに私はなりたい。
以上です。
ありがとうございました。