対戦ゲームっていいよな

対戦ゲーム、麻雀の攻略。それらの上達に役立つ知識の共有がしたい。

微差判断病への処方箋

気を抜いたら(俺が)よく発症してしまう微差判断病についてのお話。

 

微差判断病って?

対戦ゲームは1試合、それも数秒単位での判断の回数が非常に多い。

めまぐるしく状況が変わっていく中、最大期待値を拾い続けるように立ち回りを構築することが勝率につながりやすい。

もちろん、立ち回りを構築するための知識や、操作も重要な要素です。

この、局面ごとの正解を考えるうえで気を付けておきたいのが微差判断病。

先述の通り、対戦ゲームは短いスパンで多くの判断をしなければなりません。

このため、ミスを無くすこと自体は実力差がない限りは非常に難しく、昨今の対戦環境は対戦環境は細かいミスを多くするプレイヤーよりも、大きなミスを数回するプレイヤーの方が勝率が悪くなりがちです。

ここでの大きなミスについては、人によって意見が割れにくく、期待値に優れ、技術介入度が低い(安定する)選択を取れていないことと定義しておきます。

 

微差判断病とは、細かい状況ごとの正解を突き詰めてしまう過程で、大きなミスを減らすといった前提を見失っている状態を指します。

 

具体例はゲームによって異なりますが、あえて例をあげるとするならば、

置き技にキャンセル必殺技を仕込む精度が低い(大きなミス)かったり、

ゲージを消費する使用頻度が低めな高火力コンボが不安定(大きなミス)だったり、

投げを切り捨てて屈ガしているのにグラ潰し垂直に対して対空が出せていなかったり(大きなミス)するのに、

フラットな状況でのリターン低めな18F反応差し返しの精度(微差)を気にして、大きなミスをいつまで経ったもの減らせない人は微差判断病です。

 

微差判断病との付き合い方

余程器用でない限り、ミスをゼロにしていくことを目指す過程で何度も微差判断病にかかってしまいます。

こればかりはどうしようもないのですが、

常に「微差の判断よりも大きなミスを無くすことが重要」と意識しながら対戦するだけでも微差判断に捉われ難くなります。

 

大きなミスをしたと思ったら、その都度メモを取って自覚し、練習メニューに加えましょう。

リプレイを見て客観的に大きなミスをカウントすることも重要です。

他者に伝える能力が長けている格上のプレイヤーが身近にいるのであれば、手数ですがこの文章を読んでもらって、大きなミスをしていたら忌憚のない指摘をしてもらえるようお願いするのも良いかもしれません。

 

以上。

 

ひっとぼっくす1年生 ③スタート&最終指位置を意識する

前記事

ひっとぼっくす1年生 ②ノートの取りながら - GBVSとスト5攻略ブログ

 

言語化の必要性

レバー入力では指がどのように力を入れ、あるいは抜くかを最適化することが重要です。

入力の最適化を意識できていると、操作ミスをした時にキーディスを見るだけでミスの原因と改善策をイメージしやすくなります。

例えばストリートファイター5波動拳のコマンドは2 3 6の各入力が必須となっています。

この入力する際に、36となってしまう人は中指の扱いが、26となってしまう人は人差し指の扱いが、23となってしまう人は親指の扱いがそれぞれ悪い、のように。

 

さて本題のヒットボックスでのコマンド入力ですが、格ゲーをやっていて馴染みのないボタン入力の加減(足し引き)が重要であるということを意識する必要があります。

例えば1を入力する際は4と2のボタンの同時押しになります。

これは感覚的にも簡単です。

一方で、4を予め押している際は2を押すだけで1の入力になる、

あるいは2を予め押している際は4を押すと1の入力になるといった、

すでに押しているボタンに他のボタンを加えた際にどういった入力がされるのかを意識することは難しく感じました。

レバー+ボタンですと、基本的にはボタンはそれぞれ独立したものであるので、こういったヒットボックスの移動ボタンならではの要素は丁寧に脳と指に馴染ませる必要があります。

 

スタート&最終指位置を意識する

ヒットボックスのコマンド入力のコツはスタート時と最終時の指の配置を正確にすることです。

例えば屈ガードから214を入力する際に、42を同時押ししている状態から単独で2入力(スタート)を必ず入力することと、4のみを押している(最終)状態で終えていることを意識します。

練習する際も、コマンド開始時に中指だけがボタンに触れている状態からはじまり、薬指だけがボタンに触れている状態で終わることを意識しながら入力しましょう。

レバーと違ってヒットボックスでは感覚的な入力をした場合に単独入力を飛ばしがちになるので、以下の4始動を練習するとバッチリです。

ニュートラル状態から

②前歩きから

③後ろ歩きから

④屈ガードから

 

以上。

 

ひっとぼっくす1年生 ②ノートの取りながら

前記事ひっとぼっくす1ねんせい とまどいのしょにち - GBVSとスト5攻略ブログ

 
入力を言語化して記録する

新しいことに挑戦する際にはこまめに言語化して自分の状態と課題を客観視することで効率を上げることができます。

レバーでも同じなのですが、自分の入力を検証せず、時間かければ慣れると思い込んでしまうと雑な入力癖がついてしまい、それを「出来てる」と思い込んでしまい、

このような取り組みですと、その日の調子や焦りなどの要因でミスをしてしまいます。

操作については以下のことをノートに書きながら練習に取り組むと良いです。

 

・動作の入力システム理解

・指の置く位置(レバーの持ち方)

・力の入れ方

・力の抜き方(意外と漏れます)

・頻発するミスの要因と対策

 

どう入力してますか?コツはなんですか?と他者から聞かれた時に言語化できている状態が好ましい。

 

 

ひっとぼっくす1ねんせい ①初日所感

誰もが興味あると思うんですけど、価格やレギュレーションのあれこれで手を出し辛いヒットボックス。

かくいう自分も興味はあれどレバーで問題ないかなと思っていたのですが、どうしても出来ないファジーがあって、フレーム書き出してみるとレバー操作だとかなりきつかったんですね。

こうしてレバーの上限値を感じてしまった時にふと、ストリートファイター暗殺拳(名作です、みんな観ましょう)で豪鬼が言っていた、

強くなれる可能性がそこにあるのになぜ試したらダメなんだ

というセリフが再生されてきちゃって気づけばヒットボックスモチベが上がりました。

(ちなみに豪鬼のいう強くなれる可能性ってのは殺意の波動…)

 

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▲きみは殺意の波動になり得るのか?▲

 

アケコン(パンテラ)との違い

(いまのところ)苦しんでるところ
ボタンの大きさ、配置

いまのところ、もっとも戸惑ってるのはボタンの大きさと配置です。

サイズがアケコンのボタンより一回り小さくて感覚も密集しているので、とっさにボタンを押したいときは迷子になります。

ただここは正直慣れでしょうし、ここを叩けば画面にこれが出る、と脳が覚えているところを再学習させていけばいいかなと思っています。

小さいボタンは緻密さは求められるものの、離れたボタン同士の入力は安定するといった印象。

 

ジャンプボタン

下部にあるでっかいボタンがジャンプボタンなのです。

左手親指を軽く載せておくのがニュートラルポジションになるのですが、レバーでは全ての動作に親指を使っていたため、親指の力を抜くというのが難しい。。。

ボタンで↓↘︎→と入力してる間も親指が元気にグワングワン虚空を切っています。

このせいでジャンプが暴発したりしちゃってます。

そもそもここを押せばジャンプが出る、とまだ認識し切れていないのでここの慣れは課題ですね。

 

623入力 

ストリートファイター5なら、前属性→下属性→前属性で昇竜が出せるのでヒットボックスだと3F安定するのですが、グランブルーファンタジーヴァーサスでは、623を必ず入力をしないとコマンドが受け付けてくれません。

使いたてなので6を押し、6離し2押しっぱなし再度6を入れるのが今やっている入力ですが、他の入力も模索していきたいところ。

例えば、

6→42同時押し→4を離す

これで623入力になるのですが、42の押し方を研究して自然に離すと4から先に指が離れ2入力が残ったままになるようにすれば、動作としては6→ボタンを押して離すタイミングで攻撃ボタン、という認識でコマンドが出せたりします。

レバー以上に手の構造の影響をモロに受けるので、左右向き共通の入力法を考えるのは楽しそうです。

 

レバー操作もそうですが、適当にガチャガチャやり続けて後から矯正は大変です。

ヒットボックスもしっかり入力や指運を考えながら練習メニュー考えていきます。

 

次記事

ひっとぼっくす1年生 ②ノートの取りながら - 対戦ゲームっていいよな

 

 

 

ゲーム選び、キャラ選びを論理的に考えてみる

目的

ゲーム・キャラ選びにおける意思決定の精度を高め、正しい選択を選び取る確率を上げ、最終的に後悔を限界まで減らすこと
即効性のテクニックではなく、スタートラインに立つための素地をつくる

 

はじめに

こちらは職業選びについて論文ベースの見識を記している鈴木祐著の『科学的な適職』に書かれている内容から、どんなゲームやどんなキャラを選んだら幸福度が高まるかを俺が個人的に考えていく文章となります。

 

好きを仕事にしよう!というクソアドバイスを論理的に破壊している良著なので気になる方は購入してみてください。

 

視野狭窄(きょうさく)が仕事選びを失敗させる

ものごとの1面しか注目できなくなり、その他の可能性を考えられなくなる状態を視野狭窄と呼びます。

大企業の管理職ですら何かを検討する際に3つ以上の要素を吟味すると回答したのは29%で、たいていは2択で終わらせてしまう傾向にあります。

やるべきかやらないべきか、のような2つの要素を吟味した場合のプロジェクト失敗率は52%で、3つ以上の要素を吟味した場合の失敗率は32%まで下がっています。

 

なぜ失敗するのか?

人間の脳は自由に選択することに向いていません。
その理由は、人類史の大半において自由に選択することから無縁の生活を続けていたからです。
生まれた地域や身分によって長らく生活パターンを決められていたので、人類の脳には複数に分岐した未来の可能性をうまくするための能力が進化しませんでした。
その結果、大量の選択肢を前にすると混乱や不安を無意識に感じるようになり、選択の精度を落としてしまいます。

選択の精度を下げる脳の働きの例として、・手軽で新しい情報だけに頼ってしまう

⇒難しい判断を避けたい(利用可能性ヒューリスティック
・変えても今よりよくなるか分からないから先延ばしにする

⇒人間は基本的にいまのままでいたいと思う(現状維持バイアス


つまり、適切な職業選択を行うためには、たくさんの要素を吟味し、混乱している脳でも精度高く処理をする知識を身につける必要があります

この視点ってゲーム選びやキャラ選びにも活かせそうじゃありませんか?

 

 

やったらダメな選択基準

好みで選ぶ

いきなり挑戦的なテーマですね。
好きなことを仕事にするべきだというタイプと、仕事は続けるうちに好きになるものだと考えるタイプでは、前者の満足度が高いのは最初のうちで、1年以上の長いスパンで見た場合は後者の幸福度だけでなく、年収やキャリアも後者の方が優れていた。
前者は好きと現実のギャップを感じやすくなり、根幹である「好き」という気持ちに疑念を持ちやすい。その結果幸福度が下がる。
後者の場合は、トラブルがあったとしても「仕事とはこんなものだ」と割り切れるため、幸福度に影響し辛い。
また、好きを仕事に派は、仕事は仕事と割り切る人よりも離職率が高という結果もある。
これは好きを仕事に派は、何かトラブルが起きるたびに「本当はこの仕事が好きでないかも」「向いてないのかもしれない」という疑念に取りつかれやすい性質にあるため、モチベーションが上下するので安定したスキルが身につかなくなる一方で、
仕事は仕事と割り切った方が作業の上達が速くなり、その結果仕事を長く続けるようになるからと言われている。

 

注意!情熱は無駄ではない

情熱を持てる仕事を探す、という考えは前述のとおりアウトですが、「投入している努力の量」に比例して仕事への情熱が長続きします。
例えば長い間続けていた趣味には、かけてきた時間と労力があるはずなので情熱を維持しやすくなります。
つまり、情熱に必要不可欠であるのは対象にあなた自身が注いできたリソースの量となるわけです。

身もふたもないことを言えば、真の天職はなんとなく続けていたら楽しくなってきたという要素が重要になります。

ゲームやキャラを選択する際には、スタート時の情熱は何の役にも立たないことを肝にめいじて、情熱は積み上げた先にしか存在しないというスタンスでいるのが望ましいです。

こちらは心理学ではグロウス・パッションと呼ぶので気になる人は調べてみましょう。

 

給料の高さは幸福度に影響し辛い
業界や職種で選ぶ

キャラ選びとは少し離れていた内容なので割愛します。
ここで重要なのが、「何」が幸福度に影響するかということですね。
特に給料が幸福度に影響し辛いというデータは面白かったです。

 

裁量権のない仕事は幸福度を下げる

会社内でポジションが高く仕事量が多い人と、ポジションが低く仕事量の少ない人では、前者の幸福度が高くなっています。

というのはポジションが高い人は裁量権があるので、適度なストレスというものを取捨選択しやすくなるからです。

一見仕事量が多く見えても、少しの努力で越えられるハードルばかりを設置する人と、

仕事量は少なく見えても、上から押し付けられた理不尽なハードルに挑む人ではストレスの質が圧倒的に違います。

楽器の弦は張りすぎても緩めすぎても良い音がでないのと同じで、適度な良いストレスというものは幸福度に影響します。

ゲームで言えば、習得練習や研究に見合ったリターンをキャラがもたらしてくれるかどうかがこれに当たると思われます。

例えば、キャラ対策で切れるカードが多かったり、立ち回りを押すボタンの使い分けが勝率に大きく影響したり、確認することでコンボ火力を大きく伸ばすことが出来るキャラは心地よいストレスを与えてくれる要素を持っていそうです。

逆に、基本コンボの火力とカウンター確認の火力が変わってなかったり、どの技をガードしても押すボタンが一緒だったりする楽過ぎるキャラや、

どんなに調べても回答が見つからないような状況の多いキャラ対策で切れるカードが少ない理不尽を押し付けられるキャラは幸福度の観点からいえば良い選択とは言えません。

ですが、これも人によっては見方の変わる指標です。

例えば基本コンボをやることにすら多くのリソースが必要な人にとっては、基本コンボをすること自体が適切なハードルと言えるので、カウンター確認が要らないことは物足りなさに繋がらないでしょう。

大切なのは自分が適度な努力をして越えやすいハードル設定が出来るゲーム、キャラかという視点です。

 

 

性格で選ぶ

職業診断の性格テストで、今のところ科学的に正しいとされているものは皆無です。

正しいかもしれませんが、証明困難な時点で精度はお察しです。。。

几帳面な性格は事務職に向いている、すらも証明出来ないのであれば、博打が好きだから高火力不安定キャラを使う、という風に考えるのは必ずしも幸福度の高い選択の材料にはなり得ないと言えます。

 

直感で選ぶ

職業においては直感で選ぶことは危険ですが、ゲームにおいては直感で選んでも問題は無さそうです。気になる方は本を読みましょう。

ただ直感で選ぶ人は自己の正当化に拘る傾向にあり、結果やフィードバックに対して客観的に考えることが出来ないので避ける方が無難です。

 

適性にあった仕事を選ぶ

これも面白いリサーチで、その人が仕事でパフォーマンスを発揮できるか事前の審査で判断することが出来るか?といったものになります。

その結果、能力の29%しか判断することが出来なかったようです。

面接、インターンシップ、職歴などはパフォーマンスの指標として何の役にも立たなかったわけです。

スト5でザンギ上手く扱えるから他ゲーでもコマンド投げキャラを…と考えるのは危険で、過去の経験はあてにせずにとりあえずやってみないと適性は判断できないと考えるのが最適でしょう。

 

 

精度の高い選択基準

自由であるか

仕事選びについていかに自由か大切かが書かれていましたが、ゲームとの相関関係は高いとは言えなさそうでした。

キャラやゲームに落とし込むとするならば、自分が「窮屈だな」と感じた部分をメモに書き出しておいて、客観的に分析することで、自分が優先したい「自由」の正体をつかむことが出来、それを選択の指標のうちの一つとすれば良いです。

 

達成感

達成感の大小に関わらず、前に進んでいる感じが大切です。

これを感じるためには、努力がどのような形で現れるかを理解し、努力と結果が分離していないかを判断することが大切です。

仕事においては結果が出るまでに数ヶ月かかったり、上司の知識が不足しているが故にトンチンカンな評価を下されたりもしますが、ゲームにおいてはその心配はなさそうです。

例えば新しいコンボを覚えたのであれば、リプレイを見直してコンボ選択が出来ているかどうか、その結果相手の体力を減らせているかどうかをチェックして適当にノートに「〜できた!」と書いておくだけで前に進んでいる感を得ることが出来ています。

注意すべきなのは、コンボを覚えた→勝てるようになる、みたいな段階を飛ばしてしまうと努力と結果が分離しやすくなってしまいます。

この場合は勝率ではなく、コンボの成功率、1回のコンボでどれだけダメージを取れるようになっているか、という視点から達成感を積み上げていきましょう。

 

明確さ

どのような課題があるのか、どう取り組めば解決するのか、ということは仕事のやる気に大きく影響します。

某C社のダウンロードコンテンツキャラは、リリースしたての時は色々と足りてない、どう取り組めば勝てるようになるのだろう?という性能をしていますが、シーズンが切り替わると大幅に強化され、もはや別キャラと言っても良いくらい勝ち方が明確になるパターンが多くみられます。

ここを頑張ればより良くなる、ということが明確であるかどうか、それを明確に出来る能力が自分にあるのかどうかはゲームキャラ選びで重要な要素になりそうですね。

 

多様さ

どのような変化にも人間はすぐに慣れてしまうため、飽きに繋がります。

頑張りどころの多いキャラを選ぶことで、ここも頑張ろうあれも頑張ろうとやる気を維持することも出来ます。

これは俺個人の持論になりますが、一方で人によっては一芸に特化することで長くやる気を保てる人もいます。

対戦ゲームには、ひたすら難しいコンボを実践で決めることや、コマ投げをどう通すかを考え続けることに飽きが来ないという人もいるので、自分の「飽き」に敏感になり、飽きるくらいなら多様な努力幅のあるキャラを選ぶことが大切と言えるでしょう。

 

仲間

自分と似ているスタンスの人が多ければ多いほど幸福度は高まると言われています。

ゲームで考えると…うーん難しい……。

人口の多いキャラを選ぶと、自由(キャラ対策)、多様(知らない選択肢や知識)が多く得られ、適度なハードル設定もしやすいので達成感も得やすいかもしれません。

 

強いキャラを使おう、はこの観点から考えるとあながち間違えでは無いように思えます。

好きなキャラを使わないと長続きしないよ!というアドバイスは危険で、

正しくは、(自分が達成感を得るためのハードルを設置しやすく、飽きを防止し、やる気を高く保つために多様な視点でやり込め、それらの方向性が自分にとって)好きなキャラを使わないと長続きしないよ!と言うべきですね。

 

まとめ

どちらかというと、こういう視点でゲーム、キャラを選びましょう!というよりかは、こういう視点は持ってはいけません、何も考えずにとりあえず続けてみて精度の高い選択基準を満たしているかに注目しましょう、という考え方が良さそうです。

面白いなと思った方は鈴木祐さんの『科学的な適職』を購入しましょう。

対戦ゲームのストレスに強くなるためのあれこれ

 

三人称日記

https://psyarxiv.com/a5fgu

⬆︎ソース

手軽度 15分未満

効果 客観視能力⬆︎ 解決能力⬆︎ 感情予測⬆︎ ストレス耐性⬆︎

人間という生き物は自分という個体を優遇するように出来ているので、問題に対して客観視や自制を疎かにしがちです。また、問題に対して自己が受けている負担を重く受け止めがちになります。

問題を解決しようとすると、自分に同情しちゃってイライラし、さらに自己を優遇して解決策の精度が落ちてしまうわけです。

ここで有効なトレーニングが三人称日記。

自分がストレスを感じたことを三人称視点に置き換えて記録するだけです。(ソース元はもっと細かいやり方が書いてます)

俺が使ってるテンプレ構文置いておきます。

○○(自分の名前)は、〜されて、××な気分(ストレスを具体的な言葉に)になった。

 

 

インターベンションブレスレット

『セルフコンパッション(クリスティーンネフ著)』

手軽度 今すぐ

効果 ストレス耐性⬆︎

名著で紹介されている方法で、ストレスを感じていると自覚することで不快感を和らげる手法です。

人間って意外と自身のストレスに対して大雑把なんですよね。

ひとくちに「イライラする!」といっても、焦燥感なのか、怒りなのか、身体的な疲れなのか、もやもやとした不快感なのか、具体的に掘ってみるとかなり細かい表現が出来ますよね。

こういう風にストレスを分析することでストレス耐性をあげるといった手法もあるのですが、インターベンションブレスレットはその簡易版です。

ゴムでも時計でも良いので手首につけておいて、ストレスを感じたらそれを逆の手首に付け替えるだけ。

要するに、「ストレスを感じたらこの行動をする」と決めておいてストレスを自覚しやすくします。それが不快感の緩和に繋がると言われています。

俺は心拍数測れるものを身につけているので、ストレスを感じたら心拍数を確認して記録するようにしています。

 

 

知的謙遜を鍛える

『Think CIVILITY(シンク シビリティ)』(クリスティーン・ポラス)

手軽度:コツコツと

効果 客観視能力⬆︎⬆︎解決能力⬆︎ ⬆︎情報収集能力⬆︎⬆︎ ストレス耐性⬆︎⬆︎⬆︎

俺に足りてない部分でコツコツと継続して鍛えてるのが知的謙遜です。

簡単に言えば、自分の知識がどれだけあるのかを把握し、足りてない部分については真摯に向き合い、かつその段階で悲観的にならない能力です。難しい。

知的謙遜が高い人は、中立性が高く、情報収集に優れ問題解決能力が長けている傾向にあります。

人間はどうしても自分のことを大切にしたがる、ということを常に頭に入れるだけでも知的謙遜は鍛えられると思います。

例えば、対戦して100戦10勝だったとします。

人間は自分のことを大切に思うので、自分ならもっと勝てるはずだ、10勝しか出来ないのは外的要因のせいだ、、、と自分を大切に大切にしながら問題解決から遠ざかります。

ここで、今自分は自分のことを大切にしようとしてるな?自分のことを高く見積もってないか?自分の知識はどれくらいあるだろう?この戦績にあてがうと妥当ではないのか?みたいな自問できる人が知的謙遜能力に長けている人ですね。

 

記録をつける

https://www.cambridge.org/core/journals/advances-in-psychiatric-treatment/article/emotional-and-physical-health-benefits-of-expressive-writing/ED2976A61F5DE56B46F07A1CE9EA9F9F/core-reader

ソース⬆︎

手軽度:毎日

メンタル改善⬆︎

ソース元では日記でしたが、文字にすることで人間のメンタルは安定します。

また、質に関わらず、積み重ねというものが目に見える形として残っていると人間は前向きになれる傾向にあります。

対戦数、キレたこと、よかったこと、おぼえたこと、みたいな項目を予め決めておき、寝る前にそれらをカキカキするだけでメルタルが改善されていくと言われています。

ときど本 努力2・0 書評

ときどさんの2冊目の本です。

1冊目の本は自叙伝に近く、今回の本はノウハウと自分語りをブレンドした内容になっています。

ときどさんのペルソナを理解している方が内容は入りやすいので、『東大卒プロゲーマー』を読むか情熱大陸を視聴してから『努力2・0』を読むと良さそうです。

 

◆本の構成◆

面白い導入

導入部分はスト4以前に結果を出しまくっていたときどさんが、スト4以降に努力の方向性を変えた理由について書かれています。

対戦ゲームの昔と今についてこれほど理路整然と書かれている文章は聞いたことはあれど見たことは無いので、この部分だけでも300円くらいの価値があります。

 

タイトルの意味

努力2・0というのは、過去にときどさんがしていた努力、一般の人が想像するような苦労を伴う努力のイメージを1・0とするなら、挫折を乗り越えて取り組み方を変えた今のときどさんの努力は「2・0」にアプデされているというものです。

 

内容について

ときどさんの努力2・0を6つの要素に分解し、それぞれについて解説していくのが『努力2・0』の内容となっています。

文量はさほど多くなく、難しい言葉をわざわざ誰にもわかる言葉に書き換えている工夫が見受けられました。

ノウハウにあたる部分もときどさんが勉強しているのか、トレーナーがいるのかは不明ですが、科学的根拠に基づいている部分が多く、それってときどさんだからできるんじゃないの?という疑問を持たれないようなまとめ方がされています。

 

◆書評◆

結局買いなの?

結論から言えば買いです。

導入部分だけでも300円の価値があります。

また、打撃の当て勘について言語化されているところもあり、そこの部分だけで800円の価値があります。

先述の通り、見やすさ、読みやすさのこだわりも感じられ、全ての文がときどヴォイスで再生可能です。

個人的に満足なのですが、以下ちょっと残念だったところを書いていきます。

 

 

ターゲット設定が壊滅的になされていない

本著で一番残念だった部分です。

ときどさんはメディア露出も多く、東大卒というわかりやすいフックも持っています。

帯に「仕事でも 人生でも ゲームでも」と書かれていますが、この部分に関しては0点です。(ごめんなさい)

この本を手に取る可能性が高い人間は、

①ときどさんのノウハウを得てゲームが上手くなりたいゲーマー

②ゲームはやらないけど、メディアですごい人だと知っていて興味がある非ゲーマー

の2パターンが主だと予想されます。

(③努力の分野に従事している研究者も読みそうかな?と思いますが、薄いターゲット層でしょう)

本著では、①の人が読んだら「もう少し詳しく書いて!」と思うような内容と、②の人が読んだら「ゲーマー向けに書かれていてよくわからないなぁ」と思うような内容が殆どです。

ここは多分ときどさんの心が揺れた部分なんでしょう。

自分と同じように壁にぶつかった対戦ゲーマーの助けになりたい。

自分のやっている対戦ゲームでゲーマー以外の人の助けになりたい。

という思いがあったのでしょうが、厳しいことを言うなら製作スケジュールや文字数などで満たすことのできない要素は切り捨てて、どちらかの層に寄せるべきでしょう。

特に残念なのは、メディアでときどさんを知ったゲーマー以外の人がこの本を取ったとき、「ゲームの知識がないと深く楽しめない本だな」という印象を持たれる可能性が高いことです。

その原因となるのが、ゲーマーが読んで「もっと深く書いてよぅ」と思うような薄い要素であるのが本当に残念です。

ここに関しては、ゲーマー向けの編集は電子書籍(noteでも良さそう)のみ、一般向けの編集は紙媒体と電子書籍のようにしたら良さそうだなと思いました。もしくは一般向けに寄せたうえで、ゲーマー向けの内容は有料配信で本の該当箇所を読みながら深く解説する、みたいなものが出来れば良さそうです。

 

何がノウハウなのかを把握しきれていない

おそらくですが、あらゆる科学的なノウハウを血肉にできているため、これ知ってる人にしか伝わらないのでは?というようなノウハウを軽くスルーしている箇所が多かったです。

どこまでがノウハウで、どこまでがときどさんのペルソナや才能に依存している部分であるのか、その線引きがされておらずごちゃごちゃになっています。

例えば、ときどさんが起床後にノートに書いていることついて書かれている章があるのですが、ノートを机の上に開けっぱなしにしておいていることがさらっと書かれていました。

先程散々ダメ出ししたので、どうして欲しかったのかを兼ねてここについて自分の言葉で書いてみます。

「手間の省略」は何かを習慣化するにおいてかなり効果のある科学的な手法です。

【一般向け】

例えば本を読むことを習慣にしたいなら、途中まで読んだ本はページを閉じて本棚に戻すより、開きっぱなしにしてテーブルの上に置いておく方が良いのです。

仕事帰宅後の自宅、筋トレを習慣にしたいなら仕事に行く前に布団を畳みスペースを作り、筋トレ器具を準備しておくといいですね。

 

【ゲーマー向け】

対戦でわからないことを後で調べることは大切ですが、なかなか習慣になっている人は少ないと思います。

そこでモニター付近やアケコンテーブルにノートを開けっぱなしにしておき、ペンも添えておきます。対戦してる時にわからなかったことや、印象に残っている自身のミスなどは随時ノートに書き込んでいきます。

スマホアプリなどでも良いのですが、開けっぱなしのノートを使用することで記入をする手間、アプリを確認する手間を省略することが出来ます。

そして対戦が終わってからすぐに調べるのが難しければ、アケコンの上にノートを開けっぱなしにした状態でその日の対戦を終えます。

そして翌日、アケコンの上に開けっぱなしのノートを目にしたあなたは、そういやこれ調べとかないとな、と思えるわけです。

 

こんな感じでどうでしょう。

要所でクリティカルなこと書いてるのに知ってる人にしか伝わらないよなぁと感じてしまうのは残念でした。

 

さいごに 本の使い方

読みやすさ、わかりやすさ、(ときどさん本人は否定的ですが)ときどプレミアム感という一番大切な部分をクリアしているので、読んだら元気になれることは間違いなしです。

ときど本を読んで、このノウハウおもしろいな、と思ったら関連書籍、論文を探して自身で深堀りするのが使い方として最適かなと思いました。

さいごになりましたが、悩みながらもダメなところはダメ、と書きました。

俺の書評読む時点でセールストークはみんな期待してないだろうと思ったのでそこは期待に応えようと。

不快に思った方はすみませんでした。

本買ってない人は本買ってください。